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動物病院の設計

プロローグ

動物病院の設計、建築を考えるにあたり、まず場所、敷地、一戸建てか、ビル内か、予算は、など諸条件を整理する必要があります。

 1.病院専用か住宅併設か
 2.所有か賃貸か
 3.一戸建てか改修か
 4.場所、敷地、物件は
 5.予算は
 6.開業時期は

 

プロローグ

 

これらの諸条件を総合的に考えて動物病院の設計にあたる必要があります。その上で、さらに動物病院としての専門的な機能、アイデア、デザインといったものを考えていく必要があります。

 

動物病院の設計について

それでは、前段に述べた諸条件を整理したとして具体的に動物病院の設計に当たっての注意点について話を進めましょう。

まず、動物病院を設計する場合一番大切なことは動線であり、それぞれの機能を持った部屋の結びつきです。考えている病院の諸室を、待合室、受付、診察室1、診察室2、処置室、オペ室、入院室・・・、と書き出し部屋名を○で囲み、結びつきの強い部屋、行き来の多い部屋を矢印で結んでみるとよくわかります。(図1参照)多少要望で個人差が出ることはあっても基本的には処置室が病院の中心にくることになります。これは、動物病院のスタッフの動きが処置室を中心に機能していることを示します。この図に、その病院の規模、形状、特色などが加味され病院の基本形は形成されます。

即ち、病院全体の大きさや、1階のみの平面プランか、2階、3階といった複数階に部屋が分かれるのか。といった大前提の問題から、それぞれの部屋の大きさなど細かな諸条件が加味されて病院が出来るのです。
 しかし、その諸条件がなかなか厄介なもので、なかなか最初の概略図(図1)の理想通りに行かないものです。
ここでの建築主(院長など)と設計者の対話が、良い動物病院つくりには不可欠です。
例えば診察室など1つを取ってみても、一般的に使いやすいといわれている大きさはありますが、それが本当にその建築主やそこで働く予定の獣医、スタッフにとって適した大きさかは違ってくるからです。
そういった細かな点を決めていくには、設計者のこれまでの経験と、建築主(院長など)のこれまでの経験をぶつけ合う必要があるのです。

 

動物病院の設計について

 

次に、患者さん側にたって考えます。患者とは動物病院にとっては、犬、猫などの動物とその飼い主を指しますが、まず患者さんは何らかの方法で、病院にやってくるわけですが、その立地条件によって、自家用車なのか、公共交通機関なのか、徒歩なのかとかわってきますが、特殊な条件でない限り、最近のほとんどは自家用車で、となります。この場合、駐車場の形状、道からの入りやすさ、1台あたりの広さなどが問題になります。
次にエントランス、待合と進むわけですが、出来る限り風除室と呼ばれる前室をエントランスにはつけたほうがいいでしょう。これは、一般的に外から待合に直接風が入ってこない為のものですが、動物病院の場合は動物の逃亡防止の役目も果たします。
待合室に入ると、受付をして、待合のベンチで待つことになります。ここで注意する点は、受付カウンターは、犬に咬まれたり、舐られたりしても大丈夫な材質や形状を選定することと、飼い主が受付で書き物をする間、犬をつなぐリーダーフック等の配慮です。
また、待合のベンチの選定の考え方はいろいろあるので、建築主(院長など)と設計者が充分打ち合わせてその病院にあった方法を選定するのがよいでしょう。
その他、患者さんが直接利用するところとして、トイレ、洗面があります。トイレは出来れば犬も一緒に入れるような大き目が理想ですが病院全体のバランスで決めましょう。洗面も出来ればトイレの外にあったほうが理想です。動物病院の場合、トイレ以外にも手を洗うケースは出てきますし、待合でのワンちゃんのおしっこ等、待合に水場がひとつあると何かと便利です。

 

動物病院の設計について

 

各部屋の機能と設計

今度は、各部屋ごとに設計の注意点を挙げることにしましょう。ただし、先にも述べたように、その使い勝手は病院によって一様ではありませんし、病院の規模によっても、それぞれ違ったところも出てきますので、ここでは一般的な考え方と、私がこれまで経験したアイデアや考え方を紹介させていただきます。

 

待合室

待合室を考えるときの注意点としては、ベンチのレイアウトです。待合は広いに越したことがありませんが、病院全体の大きさから限界があり、なかなか広く取れないのも実状です。
ポイントは広さよりもベンチを置ける長さです。動物を連れているとなかなか詰めては座ってもらえませんし、犬と猫ならなおさらです。
出来るならエントランスから入って右側と左側に犬と猫のコーナーを分けたいところです。

 

待合室

 

受付・薬局

受付は、機能として受付と会計に分かれます。
カウンターは長いに越したことがありませんが、限られたスペースの中、患者さんの動線、流れが交錯しないように注意しましょう。
少人数の病院では1人のスタッフが看護師から受付・薬局まで兼任しなければならないことが多いので、スタッフの動線を最小にするようにプランに気をつけましょう。

 

受付・薬局

 

診察室

診察室の基本は2.5m×2.5mです。しかし、25坪以下の病院の場合、診察室の部屋数を2室、3室と確保する為、間口を縮めるケースが多いです。
それと、診察室で何処までの処置をするのか、どのくらいの医療機器配置するのかによって大きさの考え方は変わってきます。
また、複数の診察室をつくる場合、診察室間の連絡方法もポイントになります。診察室間を直接行き来できるようにするのか、行き来は出来ないがガラス張りで様子が伺えるようにするのか、完全な個室にするのかもその病院の特色となります。

 

診察室

 

処置室・検査室

処置室の基本は部屋中央の処置台と壁面に来る壁面実験台です。
処置台は、シンク形式になった水が使えるものが好ましいですが、テナントや改築の場合なかなか思うように排水を取ることが出来ないケースが多いです。
処置室の中で何処に水場を設けることが出来るか、物件条件にあった適切なアドバイスが設計者には求められます。
また、日本の動物病院の場合、検査室と処置室が一体になったケースが多いですが、実験台や家具のレイアウト、及びそこに置かれる予定の医療機器の配置、数等についても設計時の確認ポイントになります。当然、それに合わせてコンセント等の配置、数等も同じです。

 

処置室・検査室

 

オペ室・レントゲン室

オペ室は、人体寸法から最低必要面積はでますが、その病院の使い勝手によってその大きさは様々です。
床、壁、天井、空調設備の仕様も、本格的なオペ室から処置室とあまり変わりのないものまでその病院の求めるものによって様々です。
どのグレードのオペ室とするか建設コストにも関わるので建築主(院長など)に確認の必要な項目です。また、25坪程度までの動物病院の場合、オペ室とレントゲン室を兼用する場合も多いですが、そのメリット、デメリットを充分検討して決定することが重要です。

 

オペ室・レントゲン室

 

入院室

入院室の計画のポイントは、部屋数と位置及び防音、換気の仕様です。
入院室を処置室や医局からガラス張りで見えるようにしたいという要望も多いですが、防音面から考えると逆効果です。
その場合、多少音が漏れてもいいように配置に気をつける必要があります。部屋の分け方としては、犬舎、猫舎、隔離室といった分け方がありますが、全体スペースのために兼用する場合もあります。また、面会者の動線や隔離室までの動線なども検討要因のひとつです。その他、入院室にはドライタイプとウェットタイプがあります。ケージもそうですが、入院室の床も防水をするかどうかによって2つに分かれます。現在大型犬舎以外は、清掃面からもドライタイプが主流です。

 

入院室

 

医局

医局は、スタッフの休憩室として使われることも多いのですが、プラン上は受付裏に配置する場合と病院の奥又は入院室に面して配置する場合に大きく分かれます。
受付裏の場合、診察時間外に誰かが尋ねてきても病院の出入りがわかりやすいメリットがありますが、待合に患者さんがまだ残っている場合、話声などが漏れやすいというデメリットがあります。
逆に奥に医局を設けた場合、声などは待合や診察室に漏れづらいですが、来訪者に注意する必要があります。

 

医局

 

駐車場・外構

飼い主で病院に来る方は、断然女性が多いので、これは偏見かもしれませんが、出来る限り駐車場は入りやすく、駐車幅は広く取ったほうがいいでしょう。
一般の駐車場の駐車幅は250cmですが、動物の乗り降りを考えると270cmくらいあってもいいかと思います。ただ、1台でも多く駐車させたいところでもあり、悩むところです。
また、外部にベンチなど置いて、外待合とするのも有効な手法の一つです。その時、出来れば犬の水飲み場などがあるといいでしょう。

 

駐車場・外構

 

設計と監理(~完成まで)

こうした動物病院建設の専門的アドバイザーとして設計事務所があります。工事店などの設計施工ですと予算と工事のことは考えてくれますが、工事に関係しないところの相談にはのってくれないことが多いですし、設計についても施主のいったままのプランになるか、以前施工した動物病院一辺倒のプランを押し付けられることが多いでしょう。
その場所、その敷地、その地域にあった、施主の希望をさらに多角的に検討したようなプランは出てきません。
そういった相談、プランを検討するには、やはり動物病院を多く経験した設計事務所に依頼するのが一番でしょう。動物病院特有の機能、使い勝手、アイデアや問題が分かり合えることが重要です。
いきなり設計事務所に依頼するのは不安もあるでしょうが、まずは簡単な内容を相談してみるのがいいでしょう。たいていの設計事務所は相談については無償で応じてくれるでしょうし、話してフィーリングが合えば依頼すればいいのです。
動物病院を建てるということは、その人にとって一生の内でも高い買い物をすることですし、その設計者とは短くても2ヶ月、長ければ1年、2年と建物が完成する迄つき合って行くことになるのですから、お互いのフィーリング、信頼関係というのは大切なことです。
また、設計料は高いのでは、と心配する方も多いと思いますが、設計料はその物件の内容に応じて一概にいえませんが、仮に工事費の1割程度しても、設計者の 経験に拠る適切なコスト監理(計画の中で費用を掛けるべき点とそうでない部分にメリハリをつけた計画する)や信頼出来る工事施工業者の選定、競争入札等に よる工事費の削減など設計料以上の効果を得ることができ、総合的に安くつくことが多いはずです。

 

設計と監理(~完成まで)

また、建物の完成まで工事の監理を行い、適正に工事が進められているかを施主に代わって見届けてくれます。設計事務所は、建築主の立場に立った建築の専門家です。

 

動物病院の外観と看板

最近の動物病院を語るときにもうひとつ忘れてはいけないのが、病院の外観と看板です。
昔の動物病院は住宅の一角で開業しているような動物病院が多かったようですが、現在の動物病院は、人間の病院のような専門的機能性が感じられる病院や、カフェや美容室を思わせるファッショナブルなものが増えています。病院の外観は、患者さんからの信頼や安心感を勝ち取り、選ばれる病院になるには重要な要因のひとつです。

また、看板も病院の顔となりますので、見え方やイメージも考えて作成する必要があります。ファッショナブルになりすぎて、動物病院とわからないのもよくありませんし、無節操にただ大きな看板をつければというものでもなりません。
病院の持つイメージとの一貫性を持ち、それでいてわかりやすい看板が望ましいでしょう。

 

動物病院の外観と看板

 

動物病院の家具と備品

建物、設備と整ったら、やはり家具備品でしょう。家具、備品は、またこれも工事費に直結します。当然、作り付けの充分に計画された家具は、見た目も使い心地もいいでしょう。しかし、コストとしては当然高くなります。
コストを抑えるという点では、いかに既製品をうまく利用するか。専門の専用品に変わる汎用品を探すか、というのもポイントになります。
また、将来の変化に対応できる造りにしておく点も重要なことです。収納についてもそうです。当然、収納が多いに越したことはありませんが、将来の変化、コストを考え合わせた計画が必要です。そういった意味で、家具、備品もコストをかけるところと、既製品などをうまく利用するところを使い分けといいでしょう。

 

動物病院の家具と備品

 

動物病院の設備

次に動物病院の設備について考えましょう。設備には、「給排水衛生設備」といわれる水廻りの関係の設備とエアコンや換気扇といった「空調換気設備」、照明、コンセント関連の「電気設備」の3つに大きく分かれます。

 

給排水衛生設備

水廻りを考えるとき、新築建物をこれから建てるときはそうでもありませんが、テナント物件や増改築工事の場合、一番問題になるのが排水です。排水は基本的に自然に高いところから低いところに水が流れる力を利用しています。ですから、既存の建物がある場合、基本的に排水の最終放流先は決まってきますので配水管を床下に配置する為に床段差が出来たり、配管を見せない為に壁が2重壁になったりします。そのことは、工事費用にも直結しますので、既存の排水の位置を考慮した病院のプラン計画が重要となります。
排水の次に考えるのが給湯方法です。病院の規模・仕様(グレード)に応じてその方法は変わってきますが、テナント物件の場合、給湯器の設置、排気方法に気をつける必要があります。給湯器のつける位置によって蛇口をひねってから、お湯の出るまでの時間が変わってきます。給湯管を循環式にするなど、すぐにお湯が出るようにする方法はありますが、その辺の計画も工事費に跳ね返ってきます。

 

給排水衛生設備

水栓器具の蛇口やレバーの形状は、それぞれの使用箇所に合わせて選ぶ必要があります。そこで使う目的を良く考えて選定しましょう。

 

空調換気設備

空調換気設備はさらにエアコンなどの空調設備と換気扇などの換気設備に分かれますが空調設備のポイントはエアコンのグルーピングをどうするかです。
獣医師の先生のお話をいろいろ聞いていますと結局は、一室ずつ別々に個別にエアコンを付けるのが一番いいのですが、部屋数の多い病院などはその個数も多くなりエアコンの室外機の置場、配管延長の限界、コスト等の諸問題が生じます。機能や使う時期を充分に配慮しながら、いかにうまくグルーピングして室外機の数を最小限にするかがポイントになります。
換気は、その本来の目的以外に動物病院の先生方は脱臭目的で換気扇をつけることが多くみられます。
しかし、常時換気量が多いとエアコンなど空調の効きが良くなくエネルギーロスが多くなるため、一般換気用とそのときだけつける局所換気用に分けてつける必要があります。

 

空調換気設備

しかし、そうすると換気扇の数が多くなりますし、全体空調している病院や、部屋が繋がっている病院などは、他の部屋からの空気の流入があるため局所換気扇を回しても脱臭効果はあまり高くありません。臭いを無くす為には、やはり窓を開けれる構造にしておくのが一番効果的です。また、空気清浄機や脱臭スプレーなどが以外に効果を発揮します。

 

電気設備

照明は、診察室から奥の診療・処置部分は細かな作業が多いので明るくする必要があります。1000lx~1500lxあったほうがいいでしょう。待合室は、最近、雰囲気重視のインテリアをする場合が多いですが、奥との明るさの違い、色温度の違いなどに気をつけて計画する必要があります。
診療・処置部分のコンセントは、医療機器を配慮して当然3穴のアース付コンセントにするのがいいでしょう。また、医療機器の配置が既に決まっていれば、それに合わせたコンセント位置に計画すべきでしょう。特に電気容量の多く必要な医療機器が蛸足などからコンセントをとるようになるのは避けましょう。また、医療機器は必ず将来増えるものと考えたほうがいいでしょう。かといって、必要以上にコンセントや電気容量に余裕を持たせると工事費や電気の基本料金に跳ね返ってきます。必要に応じて将来、増設しやすいようにしておきましょう。

 

電気設備

 

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